コラム
【第3回】LOVEの写真展から見える多様なアイデンティティ
昨年の2024年11月、モントリオールのダウンタウンにあるMEM (Centre des mémoires montréalaises) というミュージアムで、LOVEプログラムに関わった青少年(ユース)たちによって撮影された写真の展示会が開催されました。

LOVEのメインプログラムである「メディア・アーツ・プログラム」では、芸術活動を通じてユースの感情的知能(EQ/エモーショナルインテリジェンス)を育み、心のケアと社会適応をサポートを行なっています。
活動内容は多岐にわたり、ディスカッションを交えながら絵や詩を制作したり、ジャーナリングなどを行ったりしています。その中でも特に多くの時間を費やすアクティビティが“フォトグラフィー(写真撮影)”です。

ユースたちはさまざまなテーマで写真を撮影しながら、自分の感情や考えを表現していきます。多くのユースにとって、LOVEプログラムが初めて本格的なカメラに触れる機会になりますが、ワークショップを重ねるたびに、その表現力と写真のクオリティには毎回驚かされています。
今回の展示会では、2023年10月から2024年5月までにプログラムに参加したユースたちが撮影した写真の中から、昨年のLOVEのテーマを最もよく表現している作品がLOVEのスタッフによって選ばれました。
昨年2024年のLOVEのテーマはIdentity(アイデンティティ)。
アイデンティティとは、「自分が自分であること」。

フランス語(左)・英語(右)の二言語でしっかり準備。
プログラムに参加するユースたちは、それぞれ異なるバックグラウンドを持ち、“Identity”に対する考え方も多様です。今回展示された作品には、彼ら一人ひとりの物語、想い、声が込められています。
当日は一般の来場者だけでなく、写真を撮影したユースたちも会場を多く訪れていました。プログラムの中だけでの写真撮影で完結せず、ミュージアムで展示され、多くの人々に作品を見てもらえることは、ユースたちにとって非常に貴重な経験になったと思います。

さらに、イベントではプロのフォトグラファーやゲストパネラーを招き、作品の講評をいただく機会も設けられました。ゲスト賞と、来場者の投票による賞が授与され、合計4組のユースが賞を受賞しました。

LOVEのプログラムだけでなく、このような展示イベントを通じて、ユースたちは自己認識を深め、自分自身に自信を持つきっかけをさらに得られるのではないかと思います。また、他のユースの作品に触れることで、多様なアイデンティティについても学び、感じることができたのではないでしょうか。

そして今年、2025年のLOVEのテーマは“Humans of LOVE”です。
このテーマのもとで、ユースたちがどのような素晴らしい作品を生み出み出して行ったのか、こちらについてはまた改めてご紹介したいと思います。

みなさんお疲れ様でした◎